病気について知る病気辞典

核医学検査

2016年7月1日

体内機能の微妙な変化を写し出す

病院で行われる画像検査の中に、核医学検査というものがあります。検査する部位によって「心筋シンチ」や「骨シンチ」などと呼ばれます。これらは放射線を出す薬を投与し、その体内分布や体の中での変化を見る検査です。この検査はCTやMRIのように小さい病変を見つけるのは苦手ですが、血流や臓器の働きを診ることができ、薬の種類を変えることで、いろいろな部位の検査を行えます。近年話題のPET検査もこの検査のひとつです。

心臓の検査では心筋の血流を診ることで、心筋梗塞や狭心症に対してカテーテルやバイパスの治療が必要かどうかを判断します。また痛んだ心筋に集まる薬を使うことで、心筋がどれくらい障害されているかを調べることもできます。

脳の検査で多いのは血流を診る検査ですが、脳に流れている血液の量を調べることで、手術が必要かどうか、手術後の副作用がないかなどを知ることができます。最近問題になっている認知症の診断も可能です。認知症の早期診断や種類を判別することで、適切な治療をできるだけ早く開始することができます。さらに脳の特定の細胞に集まる薬を使用することで、パーキンソン症候群(手が震えたり、歩きにくくなる病気)の診断にも有用な情報が得られます。他にも適切な薬を選択することで、腎臓や肺、肝臓の働きも調べられます。

特定の腫瘍に集まるように薬を工夫し、出る放射線の強さや半減期を選択することで治療にも応用できます。バセドー病や甲状腺がんの治療は何十年も前から行われていますし、最近では、骨転移の痛みやある種の血液のがんに対する治療も可能になりました。今後もいろいろながんの治療に応用されると考えられます。

放射線を出す薬を使用するので被ばくが心配な方もおられると思いますが、検査に使用するのは少量ですし、放射能の半減期も短いものを使っているため被ばく量は少なく、安全な検査です。安心して検査を受けてください。