病気について知る病気辞典

飛蚊症

2016年8月1日

目の前に黒いものがちらちら見える

視野の中に、黒い点や虫のようなものが飛んで見える症状を飛蚊症といいます。ほとんどの場合は、加齢などの生理的変化によるものなので心配ありませんが、網膜剥離など重篤な疾患の前触れのケースがあるので注意が必要です。

飛蚊症には、特に治療が必要でない「生理的」なものと、治療をしないと視力が障害される「病的」なものがあります。

1)生理的飛蚊症

眼球内には卵の白身に似た透明なゼリー状のものが詰まっています。これを硝子体といいます。この硝子体は99%以上が水分で、わずかに線維を含んでいます。若い時には透明で濁りがありませんが、加齢に伴い濁りが出てきます。ものを見ている本人には影として認識されるこの濁りが、飛蚊症の本態です。

2)病的飛蚊症

(1)網膜裂孔(れっこう)・網膜剥離
網膜に穴が開いたり(網膜裂孔)、網膜が剥がれてしまった状態(網膜剥離)では、しばしば飛蚊症を自覚します。病状が進行すると、視野欠損や視力低下を来します。レーザー治療や手術治療などを行わないと、失明に至る危険性があります。

(2)硝子体出血
糖尿病や高血圧、外傷などが原因で硝子体の中に出血することがあります。ひどい出血の場合は、目の前に墨が垂れてきたような見え方や霧がかかったような見え方をしますが、出血が軽度の場合は飛蚊症として自覚されることがあります。

(3)ぶどう膜炎
眼球内に炎症を起こすぶどう膜炎という病気では、硝子体に濁りを生じるため飛蚊症を引き起こします。ぶどう膜炎の場合は、羞明(しゅうめい)感(まぶしく感じること)・眼痛・霧視(かすみがかかったように見えること)・充血・視力低下を伴うことが多いです。

飛蚊症を自覚したら、一度眼科専門医を受診することをお勧めします。