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PET(PET-CT)検査ではどんなことが分かるのでしょうか?

2016年8月6日

今回は、比較的最近普及してきたPET(ペット)という検査についてご説明します。日本語ではポジトロン断層撮影、陽電子断層撮影などと呼ばれます。愛媛県内では10年ほど前から行われており、現在は5施設で検査が行われています。

PETにはたくさんの種類がありますが、一般的に行われているのはFDGという薬剤を使用した癌の検査です。FDGは、放射線を出すブドウ糖のようなものです。癌細胞は盛んに分裂しており、エネルギー源として糖をたくさん消費するので、FDGをたくさん取り込みます。このためFDGから出る放射線を検出することで腫瘍の位置がわかります。ほとんどの場合、PETと同時にCT(X線で体の断層像を撮影する検査)を行い、これにより診断精度がより高くなります。2つを合わせてPET-CT(ペットシーティ)と言います(PETとPET-CTを区別せずにPETと言っていることもあります)。

次に検査方法を説明します。まずFDGを静脈注射し、待機室で1時間から1時間半ほど安静にします(待機時間は施設により異なります)。その後に撮影装置のベッドに仰向けに寝た状態で、20分から30分ほど撮影を行います。苦痛の少ない検査です。

PET-CTの良いところは、①広い範囲(通常、頭から大腿の付け根まで)を比較的楽に検査できること、②形態だけでなく、機能(糖代謝)がわかることです。そのため癌の転移など、どこにあるかわからない病変を効率よく発見することができます。癌の治療前には病期診断(進行の程度を診断すること)を行いますが、これにPET-CTを使うと、より正確な診断ができ、適切な治療を受けることができます。

また、治療後の再発の診断、悪性リンパ腫の治療効果判定にも有効です。他にも、がん検診(保険適応外)などにも利用されています。

この検査は、早期胃癌を除くすべての癌で保険適応が可能で、肺癌、大腸癌、乳癌、子宮癌、卵巣癌、悪性リンパ腫、食道癌、甲状腺癌、頭頸部の癌、膵癌、胆のう癌、胆管癌等、多くの癌でPET-CTが行われています。一方で、胃癌や肝臓癌、腎癌、前立腺癌、膀胱癌など一部の癌ではあまり行われていません。これはFDGを取り込みにくい癌があること、正常臓器への集積のために診断が難しい部位があること等によるものです。またFDGは癌以外にも炎症や一部の良性腫瘍にも集まることがあるため注意が必要です。万能な検査ではありません。

PET-CTを受ける際に最も注意して頂きたいことは、検査前の絶食です。腫瘍にFDGを多く取り込ませるためには、腫瘍がお腹を空かせた状態にしておく必要があります。このため検査前は4~6時間は絶食が必要です。この間は飴やガム、ジュース、糖を含む点滴なども不可で、口にできるのは何も入っていない水、お茶のみになります。絶食が十分でないと腫瘍を発見しにくくなりますのでご注意ください。

他にもいろいろ注意点がありますので、検査を受けられる際には医療機関でよく説明を受けてください。