病気について知る病気辞典

感染しやすい「はやり目(ウイルス性急性結膜炎)」に、ご用心

2016年9月10日

結膜は、まぶたの裏側(眼瞼結膜)から眼球の白目の部分(眼球結膜)を覆っている粘膜で、まぶたと眼球をつなぎ合わせてそれらがうまく動くようにしています。また、涙によって、その表面が常に潤わされており、まばたきによって、異物や老廃物を洗い流す仕組みになっています。この結膜に炎症が起こった状態を結膜炎といいます。なかでもウイルスの感染によって起こる、非常に感染力の強い結膜炎の俗称を、はやり目と呼びます。原因となるウイルスによって流行性角結膜炎、咽頭結膜熱、急性出血性結膜炎があります。

①流行性角結膜炎(アデノウイルス8型、19型、37型、54型)

感染してから7~14日で発症し、まぶたの裏側の充血やブツブツ、黒目(角膜)のまわりの充血、目やに、ゴロゴロとした異物感などの症状が激しく現れます。耳の前のリンパ節が腫れて痛みを伴うこともあります。症状の強い人では、まぶたの裏側に炎症性の白い膜(偽膜)ができて結膜の癒着を起こしたり、黒目に点状の混濁が出て視力が低下したりします。

②咽頭結膜熱(プール熱)(アデノウイルス3型、4型、7型)

感染してから5~7日で発症します。結膜炎による症状は流行性角結膜炎より軽いのですが、咽頭炎によるのどの痛み・発熱を伴います。今はプールの消毒がよくされているので、実際にプールで感染する事は減っていますが、以前にはよくプールで感染してきたのでこう呼ばれています。

③急性出血性結膜炎(エンテロウイルス70型)

感染後1~2日と短い潜伏期間で発症します。目の痛みや異物感、目やに、充血のほか、結膜下(白目)の出血が特徴です。アポロ11号が月面着陸した年に世界中で大流行したため、別名「アポロ病」とも呼ばれます。日本では大きな流行は、沖縄県を除き最近では起きていません。

感染経路としては、接触感染、つまり患者の目→患者の手→患者が触ったもの→他人の手→その人の目へとウイルスが伝染していきます。咽頭結膜熱では咽頭にもウイルスがいるため、咳による飛沫感染も起こします。糞便中にもウイルスが排出されるため、プールでも感染する訳です。

感染を広めないためには、こまめに流水で手を洗うこと、タオルは別々にする、お風呂は最後に入るようにするなど十分注意するようにしましょう。また、はやり目は学校伝染病に指定されているため、医師の許可があるまでは、幼稚園・保育園・学校は休まなければなりません。

治療についてですが、これらのウイルスを死滅させる薬は残念ながらまだ存在しないため、ウイルスに対する抗体が体内で作られるのを待つしかありません。十分な休息や栄養補給が重要です。

細菌の二次感染予防のためには抗生物質の点眼を、炎症を抑えるためにはステロイドの点眼を使用します。約1~2週間で充血、目やに、異物感は治まってきますが、この頃に黒目の混濁が出てくるため、自己判断で点眼を中止しないようにしましょう。