病気について知る病気辞典

放射線科医が行う仕事、ご存じですか?

2016年10月8日

放射線科医という名前も、ようやく一般の方々にも認識されてきたように思いますが、残念ながら外科医や内科医などの主要な診療科と比べるとまだまだです。今日は放射線科医の仕事について説明したいと思います。

今から100年以上前の1895年、ドイツのレントゲン博士が、X線を発見しました。これを使うことで人体内部の構造が体を開くことなく映し出すことが可能となりました。これが放射線医学のはじまりです。放射線医学とはX線検査(通称レントゲンと呼ばれています)を手始めとして、今では様々な技術を駆使して、患者さんの診断・治療につなげていく医学の一分野になります。

放射線科医の主な仕事として、放射線診断と放射線治療があります。私は放射線診断専門医ですので、その仕事に関して説明したいと思います。

我々、放射線診断医の主たる仕事は、検査をした結果、得られた写真を読影(どくえい)することです。「読影」というのは聞き慣れない言葉かと思います。漢字変換しようとしても、医学辞書が入っていないと出てきません。単純X線写真やCT、MRI等の医用画像を見て、患者さんの病気の有無やその拡がりを検討し、診断レポートを作成することです。「放射線」という言葉が入っていますが、現在では放射線を使わない画像診断も多く、画像診断科と呼ぶ施設も多くなっています。放射線診断医は画像診断の専門家です。

放射線診断専門医が病院の診察室で患者さんと直接対面することは少ないと思います。どこで何をしているのかというと、読影室と呼ばれる部屋で、医用画像を表示したモニター画面を見ながら読影レポートを作成しています。また病院内では患者さんの治療方針を決定するカンファレンスが行われますが、放射線科医は各科で行われているカンファレンスに参加し、治療方針を立てるに当たって必要な画像情報を提供しています。被ばくや侵襲性など各検査法の特徴を考慮して、適切な検査法や撮像方法を決定・推奨することも放射線科医の重要な役割です。縁の下の力持ち的な仕事といえるでしょう。

現代医療の中で画像診断と無関係な診療科はありません。放射線科診断医は内科、外科をはじめ全ての臨床各科と連携をとり、診療を行っています。放射線科診断医のマンパワーは十分ではありませんが、近年ではある程度の規模の病院であれば、放射線科診断医が常勤する施設が増えてきました。またパートタイムや遠隔画像診断という形で、放射線科診断医が診断に関わっている病院も多くなっています。

画像診断の専門家である放射線科診断医が、みなさんの診断や治療方針の決定に関わることも多くなっています。安心して検査を受けていただければと思います。