病気について知る病気辞典

「痛風」は生活習慣病の一つです

2016年12月3日

原因、及び治療方法をご紹介します

今年の夏は例年以上に高温が続き、脱水状態から痛風発作で来院される患者さんが多かったような印象を受けます。痛風発作は発症から1~2週間も経過すれば嘘のようにいたみが消失してしまうので、本格的な痛風の治療を行う前に治療を中断してしまう人が後を絶ちません。

痛風は生活習慣病の一つであり、糖尿病や高血圧といった病気と同様に継続して治療を行っていく必要があります。今回は痛風について述べてみたいと思います。

痛風は高尿酸血症によって発症し、足の親ゆびの関節を中心とした下肢の関節に痛みや腫れや発赤(ほっせき)が出現します。高尿酸血症とは性別や年齢を問わず尿酸値が7.0mg/dlを超えたものと言われています。

高尿酸血症の要因として肉食中心の食生活、お酒をよく飲む、肥満、果糖の摂りすぎ、激しい運動をする、男性である、家族に痛風の人がいるといったものが挙げられます。お酒や肉食中心の生活は以前より知られていたことではありますが、果物の摂りすぎや砂糖入りの清涼飲料水の摂りすぎでも痛風発症のリスクになることがあるようですので注意が必要です。高尿酸血症を放置すると腎障害や尿路結石といった合併症を併発するようになり、生活習慣病である糖尿病や高血圧の発症や進行すると虚血性心疾患や脳血管障害のリスクが高まるので、早期治療が必要です。

では痛風と診断された場合、どのような治療が行われるのでしょうか? 痛風の治療は薬物療法と生活指導の2つが必要となります。痛風発作が起きている場合では、できるだけ痛みのある関節を安静に保ち発作を抑える薬を処方して、腎障害などの内科的合併症の検索を同時に行います。

尿酸値のコントロールは、痛風発作がおさまってから尿酸値6.0mg/dl以下を目標として、患者さんに合った尿酸降下薬を使用します。生活指導では減量すること、アルコールや果糖やプリン体を多く含む食品を控えること、水分、乳製品、野菜、海藻、キノコ類を積極的に摂ること、激しい運動を控えてもらいウォーキングなど体への負担が少ない有酸素運動を行っていくことなどを指導していきます。

患者さんの中には尿酸値のコントロールが薬物治療にて良好になっているにも関わらず痛風発作が出てしまう場合がありますが、このような場合では尿酸値のコントロールと痛風発作の治療を同時に行います。

12月に入り忘年会シーズンということでお酒を飲む機会が増え、痛風発作を起こされる患者さんが増えてきます。“一度でも痛風発作を起こしたことがあるにも関わらず治療をしていない”、“今までに高尿酸血症を指摘されたことがあるが治療を受けていない”など、思い当たることがあるようでしたら、早めに最寄りの医療機関を受診され、治療を受けられることをお勧めいたします。