病気について知る病気辞典

一過性全健忘

2017年1月5日

「いっかせいぜんけんぼう」と読みます。ある限られた時間に起こった出来事をすっかり忘れてしまったまま、全く思い出せなくなる症状のことです。

例えば、大切な記念日にレストランで、仲間たちと食事をしながら会話も弾み、楽しいひとときを過ごしていたはずなのに、帰宅してから急に「僕は今まで何をしていたの?」と何度も家族に尋ね始めるのです。しばらく何も覚えられない状態が続くので、家族がいくら説明してもすぐに同じ質問が繰り返されるというところが特徴の一つです。そして、このような記憶障害の他には何の症状も見られないのです。中には数年間続くこともありますが、多くは1日で症状は徐々に軽くなり、やがて消えてしまいます。40~50代以降の人に出やすく、体や心がとても疲れた時に起こりやすいといわれています。

また、片頭痛から生じることがあることから、おそらく「頭の中の血管が縮むこと」にも関係しているようです。

検査を受けても異常が見られないことがほとんどですが、スペクトという脳の検査を受けると、(特に左側の)側頭葉(ルビ・そくとうよう)という記憶に関わる大切な場所に血液の流れの悪いところが見られることがあります。また、脳波ではこの側頭葉にゆっくりした波が確認されることがあります。しかし、まだまだ原因はよく分かっていません。

家族で気になる症状がある人は、一度かかりつけの先生にご相談されることをお勧めします。