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1歳代・年長時に、MR(麻疹・風疹混合)ワクチンを接種されましたか?

2017年1月14日

麻疹は「はしか」とも呼ばれ、麻疹ウイルスが空気感染によって起こす急性熱性発疹性の感染です。約10~12日の潜伏期の後、「カタル症状(鼻汁、咳、結膜充血、めやに等)」とともに38℃以上の発熱が数日続いた後、いったん解熱するかにみえるものの再び高熱となり、全身性の発疹が現れ、高熱はさらに4~5日続きます。発疹が現れる前から「コプリック斑(周りが赤く、中心が白い口腔粘膜にできる粘膜疹)」と呼ばれる粘膜疹が、頬の内側に認められます。コプリック斑が出た翌日頃から発疹が出現します。

麻疹に罹患した場合、特異的な治療法はありません。細菌等の二次感染の治療に抗菌薬を投与する場合もありますが、感染から回復期までの1カ月間は免疫機能低下状態が生じます。そのため、細菌の二次感染、その他の合併症で致命的な事態を招くことがあります。

麻疹は、奈良時代の頃からすでに流行を繰り返しており、人々は常にその脅威に怯えていました。感染力が強く、一度発生するとあっという間に広がり、なす術もないまま死に至ることもありました。生きるか死ぬか、そんな生死を分けるほどの重い病気だったため、江戸の人たちは、麻疹を「命さだめ」の病気と呼んだのです。

麻疹の流行を防ぐためには、まず麻疹ワクチンをすることが大事です。麻疹の定期接種は昭和53(1978)年に始まり、その後平成18(2006)年4月1日から、MR(麻疹・風疹混合)ワクチンが定期接種に導入され、同年6月からは、2回接種(1歳代の第1期及び小学校入学前1年間の年長時の第2期)が開始されました。1歳代と年長の2回接種になった理由は、平成19(2007)年にワクチン未接種かつ麻疹未罹患者や、ワクチン1回接種後の方を中心とした流行が、10~20歳代に発生したからです。ワクチン1回のみの接種では流行を防げないため、2回接種になったのです。

この流行をきっかけとして、その後、国内では麻疹排除に向けた取り組みを進め、平成27(2015)年3月27日に世界保健機関(WHO)より、日本は麻疹の排除状態にあることが認定されました。ただ、麻疹排除状態を維持するためには、2回の予防接種率が各々95%以上になることが必要と言われています。

平成27年度の愛媛県MRワクチンの接種率は、MR1期97.2%(全国平均96.2%)で全国11位、MR2期93.0%(全国平均92.9%)全国30位で、MR2期の接種率は95%に達していませんでした。

ただ、MR2期の接種率で47都道府県中95%以上であったのは4県のみで、ほとんどの都道府県が95%を下回っていました。こういう状況もあってか、昨年の夏に海外から持ち込まれた麻疹ウイルスにより、関西国際空港を利用した人を中心に麻疹が発生したことは記憶に新しいと思います。

2017年には愛媛国体、2020年には東京オリンピックがあり、麻疹ウイルスが持ち込まれる可能性もあるため、MRワクチンをまだ受けていない方、特に年長時でまだ受けていない方は、是非かかりつけの医療機関にご相談下さい。