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突然、想像を絶する痛みが!~ 尿路結石の治療と予防法 ~

2017年1月28日

尿路結石は、前触れもなく急に腰部に激痛が走り、起き上がれないほどつらいやっかいな病気です。日本人の約15%の方が生涯に1度は経験するといわれており、決して珍しい病気ではありません。当院でも、多くの患者さんが尿路結石による痛みを訴えて受診されています。

尿路結石ははじめ腎臓で作られますが、腎臓から動かなければ痛みはありません。この結石が、あるとき落下して尿管に進入すると突然激しい痛みが出現し、血尿を伴います。結石が尿管内を膀胱へ向かって移動している間は激しい痛みを伴いますが、移動が止まると一時的に痛みも止まり、間もなく石が再び動き始めるとまた激痛が襲ってきます。こうして疼痛発作を繰り返した後に結石が膀胱内に排出されると、それまでの痛みや不快感は嘘みたいに一気に消失します。

この痛みはお産に例えられるほど苦しい痛みで、患者さん自身は非常に悪い病気なのではないかと不安に思われるようです。実際は生死に関わる病気ではありませんので、CT検査などで尿管結石の痛みと分かれば、ひとまず安心です。座薬等の鎮痛剤で痛みの緩和を行いながら、治療方針を相談することとなります。

小さい結石であれば数日~数週間かけて自然排石されます。自然排石される結石の大きさは一般的に約5mm以下に限られます。しかし、5mm以上の大きさの結石は、尿管で引っかかって止まってしまい自然排石されないことも多いので、結石を取り除くための治療を受けていただく場合があります。結石の場所や大きさなどにより治療方針を決定します。

治療方法にはいくつかありますが、最も体に負担の少ない結石治療は、体外衝撃波結石破砕術(ESWL)です。専用の装置から発生させた衝撃波を、体外から結石に集中的に当てることにより結石を細かく砕き、排石を促します。麻酔は不要で、初回のみ一泊入院で行います。完全破砕には数回の治療を要する場合があります。

経尿道的尿管結石摘除術(f-TUL)は、半身麻酔下に尿道から結石までファイバースコープを挿入し、レーザーを使用して結石を効率的に破砕する方法です。5日程度の入院を要しますが、ESWLで破砕できなかった結石も破砕することができます。従来のように、結石に対して開腹手術を行うことはほぼ無いため、患者さんの負担は格段に軽減されました。

このように良い治療は確かにありますが、まずは結石の予防が大切です。一番大事なのは、水分を十分に取り尿量を維持し、結石の析出を防ぐことです。ただし、ジュース・アルコール・コーヒーなどを摂りすぎるのは逆効果です。肉・魚類などの動物性タンパク質を摂り過ぎると、シュウ酸や尿酸といった結石の原因となる物質が増えます。野菜、果物を十分取り、暴飲暴食は止めましょう。夜遅くに食事を摂るのも、夜間に結石ができやすくなるので控えましょう。また、適度な運動も大切です。

日頃から生活習慣の改善を心がけ、できるだけ尿路結石を作らないようにしましょう。