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飛行機で起こる、耳の「キーン」という痛みや詰まった感覚「航空性中耳炎」で困ったら

2017年2月4日

飛行機に乗ったときに、耳がつまった感じがしたり、耳が痛くなったりしたことはありませんか?なぜこのようなことが起こるのでしょうか?

耳の穴の突き当たりには鼓膜があり、その奥には空気が入った空間があり、この部分が中耳です。中耳は耳管という細い管で、鼻の奥にある上咽頭の側面まで連絡されています。耳管は普段は閉じていて、ツバを飲み込んだりあくびをした時にのどの筋肉の働きで開き、中耳の換気を行います。

飛行機では、上昇の時は機内の気圧が下がり、鼓膜が外に引っ張られ、下降の際は気圧が上がり、鼓膜が外から押されます。このような鼓膜の内外に気圧の差ができた時に、耳がつまった感じがしたり、自分の声が響いて聞こえたりします。通常は、機内で出されるアメや飲み物を飲むことで耳管が開き、気圧の差が解消されます。

これで改善しない場合には、いわゆる「耳抜き」をします。まず何回も繰り返して嚥下(えんげ:のみ込む、のみ下す)運動をしてみましょう。次に、鼻をつまんで嚥下する方法を行います。それでもだめなら鼻をつまんで口を閉じて息を耳へ送り込みますが、これはあまり強くすると、鼓膜や内耳を痛める場合がありますので注意が必要です。

耳のつまり感が治らなかったり、強い痛みや難聴、耳鳴り、頭痛、場合によってはめまいが起こることもあります。航空性中耳炎と呼ばれる状態です。地上に着いても治らない場合は、耳鼻咽喉科を受診しましょう。

耳管の入り口は鼻の奥、のどの一番上の側面にあるので、その周囲に炎症がある場合、耳管の粘膜も腫れて、耳管が十分開かないことがあります。風邪を引いているとき、慢性副鼻腔炎、アレルギー性鼻炎、咽頭炎、アデノイド肥大などの鼻やのどの病気、もともと耳管狭窄症と言われているとき、二日酔いなどの体調が悪いときは要注意です。

航空性中耳炎は繰り返し起こすことが多いので、事前の予防が重要です。自分でできる予防法は、離着陸時、ベルト着用のサインが出ている間はアメをなめたりガムをかんだりして耳管を開きやすくすることです。風邪などは早くから治療しておきましょう。血管収縮剤の入った点鼻薬や、アレルギー性鼻炎の薬は粘膜の腫れを引かせて耳管の通りを良くする可能性があります。眠っていると唾を飲み込むことが極端に少なくなるので、気圧の変化が大きい降下時には起きていることも重要です。

仕事などで飛行機に乗る機会が多く、毎回症状が強いような方には、鼓膜に小さな穴を開けてチューブを留置し、鼓膜の内外に気圧の差ができないようにする方法もあります。耳鼻咽喉科で相談してみてください。