病気について知る病気辞典

突如起こるつらい下痢、様々な原因があることをご存じですか?

2017年2月25日

下痢はよくある症状ですが、3日以上水のような下痢が続いたり、嘔吐(おうと)を伴ったりする場合は、病気の可能性が高くなります。そこで下痢をした時、病院に行くべきかどうかを見極められるよう、簡単に説明したいと思います。

下痢には、急に始まって比較的早期に回復する急性下痢と、3週間以上続く慢性下痢があります。まず、急性下痢からお話しいたします。

数日前から急激に始まった腹痛、下痢、嘔吐、発熱は感染性腸炎が疑われます。通常は自然に治りますので、症状が強い時には栄養を取ろうと無理に食事をする必要はありません。十分に水分補給をして過ごしましょう。

水分補給のポイントを挙げます。
①常温で飲むようにしましょう。
②水ではなくミネラルを補給できる経口補水液(スポーツドリンクなど)があれば有効です。
③薄い澄んだスープ(出し汁に塩でちょっと味付けしたもの)いわゆるすまし汁(具なし)や薄い味噌汁(具なし)もよいでしょう。
④ハーブティーなら胃腸のトラブルを和らげてくれるジンジャー(すりおろし生姜)やミントを。甘みが欲しい人は蜂蜜をほんの少し入れて飲むのがお勧めです。水分も取れない状態になったら点滴が必要ですので、病院を受診してください。

突然腹痛が起こって下痢をし始め、真っ赤な便(血便)も出てきたという場合は、虚血性大腸炎が疑われます。便秘がちな高齢女性に多く、腸が働くために必要な血液が足らなくなった場合に腸炎を起こします。通常は一過性で治療を要しませんが、腹痛が強い場合や出血が多い場合は入院して絶食で点滴を行います。

次に慢性下痢についてお話しします。若い方で、授業中や電車の中などトイレに行けない状態になると腹痛や下痢が出るような場合は、過敏性腸症候群の可能性があります。緊張したら下痢をするという経験がある方は多いと思います。その症状が強くなって、生活に支障を来す状態と考えてください。驚くべきことに国民の10人に1人は過敏性腸症候群と言われています。生命に危険はないのですが、生活の質はずいぶん落ちてしまいます。良い薬も出てきていますので、一度病院を受診してみてください。

数カ月間下痢が続くときで粘血便(粘液と血液が混じったような便)を伴う場合は潰瘍性大腸炎、体重減少を伴う場合はクローン病の可能性があります。これらは原因不明の腸炎で、厚生労働省の特定疾患に指定されている難病ですが、適切な治療により日常生活に支障を来さない方が多くなっています。

最後に、慢性下痢には大腸がんが隠れていることがあります。がんによって大腸が狭くなるため、普通の便の形で出てくることができず、下痢になることが多いのです。50歳以上の方で下痢が続く場合は、大腸内視鏡検査を受けることをお勧めいたします。

一般に急性の下痢は自然に治る場合が多いです。しかし慢性の場合は病院を受診すべき病気が隠れていることがありますので、参考にしてください。