病気について知る病気辞典

貧血と立ちくらみ

2017年2月1日

大きな病気のサインかも?

時々、外来に「貧血が心配です。急に立ち上がったり、長い時間立っているとフラフラして気分が悪くなるんです」と訴える患者さんがいらっしゃいます。いわゆる「立ちくらみ」は、医学的には起立性低血圧と言われる病態で、若い女性に多く見られます。血管の収縮・拡張をつかさどる自律神経の働きが不十分で、起立時に一過性に血圧の低下が起きて、ふらつきや不快な気分になる状態を指します。貧血と起立性低血圧はまったく別の病態なので混同しないようにしてください。

貧血は、血液の中を流れる赤血球という酸素を運搬する血球数が減少した状態をいいます。貧血があると、確かに起立性低血圧を起こしやすい状態にはなりますが、貧血がなくても、脱水や自律神経の機能低下で起立性低血圧は起こります。起立性低血圧は、高度なものは原因となる病気がないか詳しい検査が必要です。多くの場合は体質的なもので、特別な治療は必要なく、急激な姿勢の変化や長時間の起立を避け、脱水にならないように注意し、適度な運動を心がけるなど日常生活上の工夫で対処できます。

貧血の原因として一番多いものは、鉄分の不足による鉄欠乏性貧血です。女性では、生理出血に伴う鉄分の喪失が主な原因ですが、凝血(ぎょうけつ)塊(かい)が見られたり、出血が1週間以上続く場合は、子宮筋腫などの病気が原因の場合もあるので、婦人科で一度診察を受けましょう。男性の場合、貧血を認めたら一番に疑うのは、胃潰瘍や痔核(じかく)、がんなどの病変からの出血です。直ちにかかりつけ医に相談しましょう。

貧血と聞くと、すぐにレバーや貝類など鉄分を多く含む食品を勧める方がいらっしゃいますが、中には鉄欠乏以外の原因である場合があり、逆に鉄を取り過ぎない方がいい場合もあります。きちんとかかりつけ医に相談してから、食養生をしてください。