病気について知る病気辞典

スギ花粉症の新しい治療

2017年3月9日

スギ花粉症はスギ花粉が原因(アレルゲン)で起こるアレルギー疾患です。その治療は、抗アレルギー剤(内服・点鼻・点眼)で症状を和らげる「対症療法」が一般的です。他に、花粉飛散の1~2週間前からこれらの薬剤の内服・局所使用を先行させる「初期治療」、1~2カ月前にレーザー光で鼻内の粘膜を焼灼(ルビ:しょうしゃく)しておく「手術治療」などもあります。

もう一つ、古くから「アレルゲン免疫療法」という治療法があります。これは、少量のアレルゲンを体内に入れ続けることによって、徐々に体をアレルゲンに慣れさせる治療です。数年にわたり週1~2回通院してアレルゲンの皮下注射を続けるので一般的ではありませんが、2014年から皮下注射しない免疫療法が新しく保険適応になりました。アレルゲンを皮下(SCIT)でなく舌下(SLIT)に含む方法で、今のところ12歳以上が対象です。SCIT・SLITともに長期継続しなければならない点では同じですが、頻回の注射通院が不要なので少し取り組みやすくなりました。この治療による効果発現には数カ月、治療完了に3~5年かかるので、今シーズンの治療には間に合いません。しかし重症の花粉症症状で毎年苦しんでいる人には、来シーズンに向けて検討できる選択肢の一つになっています。

花粉症の症状を完全に取り去ることは困難ですが、マスクなどで花粉を回避し、種々の治療を組み合わせて、より快適に花粉飛散期を乗り切りましょう。