骨粗鬆症(こつそしょうしょう)のお話
福井整形外科・麻酔科医院 福井博雅 先生
骨粗鬆症とは、骨密度という骨に存在するミネラル(主にカルシウム)量の低下と、骨質(柔軟性など)の低下によって骨の強度が低下し、骨折のリスクを増大させる病気です。もちろん若くて健康な方でも転倒や転落、交通事故などの強い外力によって骨折することはありますが、骨粗鬆症の方は軽微な外力によって、場合によっては自分では気が付かないうちに骨折を起こしていることもあります。
そういった骨折を脆弱性骨折(ぜいじゃくせいこっせつ)と言います。骨折の部位としては大腿骨の付け根、腰や背中の背骨に多く、特に大腿骨付け根の骨折の場合には、ほとんどのケースで手術が必要となります。一度脆弱性骨折を起こすと、1年から2年のうちにドミノ倒しのように次々骨折を起こすことがあり、寝たきり状態となってそれがもとで肺炎や、心臓病、脳卒中などを併発して亡くなったりすることもあります。あるデータによると、大腿骨付け根の骨折後1年以内に2割から3割の方が亡くなるとも言われており、5年後の生存率は一部のがんより低いというデータもあるくらいですから、骨粗鬆症による骨折を決してあなどってはいけません。
骨粗鬆症は通常50歳以上の方に起こることがほとんどです。また性別(女性に多い)、喫煙や飲酒などの生活習慣、糖尿病や腎臓病などの持病のある方やステロイドホルモン治療を受けている方、運動不足などが危険因子として関わっていることが知られています。特に女性は骨代謝と女性ホルモンが密接に関係しているため、閉経時期から骨密度が低下してきます。予防のためには日頃からカルシウム(乳製品、小魚など)やビタミンD(青魚、干しシイタケなど)をしっかり摂り、ジョギングやウォーキングなどの適度な運動と屋外活動(日光に当たることが必要)を行うことが大切です。
また生涯のうちで骨量が最大となるのは20歳頃と言われていますので、子どもの頃からしっかりカルシウムとビタミンDを摂り、運動して日光にも当たることが大切です。そして20歳までに最大骨量を出来るだけ上げておくことが、将来的に骨粗鬆症を予防する上で重要です。
骨折リスクが高いと判断される女性は(例:低体重、喫煙歴、家族歴など)閉経を目途に骨の検診を受け、できれば最も精度が高いDXA(デキサ)法で骨密度検査をすることをお勧めします。もしも骨粗鬆症と診断されたら、年齢や骨代謝の状態に応じて種々の治療薬がありますので、50代で診断された方も、80代で診断された方も、その方に合った治療を生涯続けることが重要であり、そうすることによって骨折の予防が可能であることが証明されています。現在松山市では、骨粗鬆症検診に取り組むことが検討されています。人生100年時代、骨を健康にして長生きしましょう。

