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「食べる・動く・寝る」で守る女性の健康―産婦人科医の立場から―

2026年3月4日

すがクリニック 消化器内科・婦人科 須賀真美 先生

診察室で、「この症状を何とかしてほしい」という相談をよく受けますが、その際に生活の様子を伺うことがあります。何時に眠り、どのような食事をとり、体をどれくらい動かしているか。多くの不調は、生活の積み重ねと密接に関わっているからです。
 思春期の月経不順、生理痛、PMS、不妊治療、仕事や育児で疲労が重なる時期、更年期の眠りにくさやほてり—女性には幅広い悩みがありますが、どの段階にも共通して必要なのが、「よく食べ、適度に動き、しっかり眠る」という基本です。これは国内外のガイドラインでも、女性の健康を支える土台として示されています。
 現代の生活では、この基本を保ちにくい状況があります。夜遅くまでのスマートフォン、朝食をとらない習慣、長時間座りっぱなしの仕事。こうした環境が続くと、自律神経やホルモンの働きに影響します。まずは「朝食に一品加える」「歩く距離を増やす」「少し早く寝る」など、具体的に行動を変えることで、体調が整っていく方も多くいます。
 特に食事では、タンパク質、ビタミン、ミネラルを意識してとることが大切です。パン、パスタ、ラーメン、うどんなど炭水化物中心の食事が続くと必要な栄養が不足し、女性ホルモンや骨の健康、気分の安定に影響します。栄養状態が女性の体調に大きく関わることは、女性医療領域でも広く認識されている知見です。卵、魚、肉、豆腐、野菜を取り入れた食事は、体を支える基盤になります。
 婦人科の立場で特に気になるのは、若い女性の「やせすぎ」です。見た目の細さを重視する風潮の中で、必要な栄養がとれないまま体重が減ると、月経不順、骨密度の低下、将来の妊娠への影響が出ることがあります。近年「女性の低体重/低栄養症候群(FUS)」という概念も示され、医療としても注意すべき状態とされています。体重の数字よりも、体を作る栄養が足りているかが重要です。
 生活の基本を整えることは、年代を問わず健康づくりの土台になります。日々の積み重ねが体を支えるため、できる範囲から少しずつ続けてみてください。
 婦人科では、生理痛やPMSを軽くする薬、月経不順の精査、更年期症状を和らげる治療など、状況に応じた選択肢があります。 女性ホルモンの影響による症状には、生活習慣だけでは改善が難しいものもありますので、つらい生理の症状や月経周期の乱れが続くときは、無理をせず早めに婦人科へご相談ください。病気が隠れていないかを確認して、その方に合った方法を提案し、より快適に生活できるようサポートします。