病気について知る病気の解説

70歳でも80歳でも「五十肩」

2022年7月15日

 肩が痛くて上がらない症状は、いわゆる「五十肩」というものです。五十肩とは、肩関節周囲炎のことを指します。特に原因なく痛みを感じ始め、ひどくなると夜も眠れないほど痛くなることがあります。自然に改善することもありますが、症状が長く続くと可動域制限(関節の動きが悪くなること)を生じることがあります。患者さんが病院で受診するときは、痛みだけでなく、可動域制限もきたしていることが多く見られます。
 肩関節に炎症を起こすとき、石灰沈着といって、レントゲンでモヤモヤと雲のように写る状態があり、この場合はさらに顕著な痛みを訴えることが多いです。肩に痛みを起こす原因として、腱板損傷が影響していたり、頸椎が原因で肩周辺の痛みを生じていることもあります。これらを鑑別するのにはMRIが有用です。
 治療としては、鎮痛薬の内服や関節注射、物理療法を行います。改善が乏しければリハビリも行います。著明な可動域制限を呈している場合は、早期からリハビリを行うことを勧めています。
 どこの関節症状でも日常生活に支障をきたしますが、肩の場合は服を着替えるのも困難になり、毎日不自由を強いられます。なるべく早期から治療を開始し、より良い改善を図っていきましょう。