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家の中での虫刺され

2022年8月5日

 家の中でヒトを刺して血を吸い、虫刺されの原因となる虫としては、主にダニ類、蚊、トコジラミがあります。これらの特徴、対策について、お話しします。

①ダニ類
 イエダニ ネズミに寄生するダニで、天井裏や床下などのネズミの巣に多く生息します。寝室の通風口や隙間から侵入し、衣類に覆われた部位から吸血します。
 トリサシダニ ツバメやスズメなどの野鳥に寄生するダニです。軒下などの巣内に生息し、室内に進入して、衣類に覆われた部位から吸血します。
 ツメダニ類 ミナミツメダニやフトツメダニなどは室内の布団やカーペットなどに生息し、ヒョウヒダニ類やコナダニ類などの体液を吸うダニです。ヒトから吸血することはありませんが、皮膚に触れることで偶発的に刺すことがあります。

②蚊
 アカイエカ 体長約5.5mmで主に室内で深夜にヒトから吸血します。顔や首、腕など露出部を刺されます。室内で越冬するので、春と秋に被害が多いです。

③トコジラミ
 昼間は柱や壁の隙間、調度品やカーテンなどの隙間に潜み、夜になると這い出してきて吸血します。旅行や出張の機会が多いと、宿泊施設内で発生しているトコジラミを荷物と共に自宅で持ち帰ってしまうことがあります。主に露出部から吸血しますが、吸血時の刺し変え行動で、狭い範囲に複数の赤い発疹が見られます。

対策について
 イエダニ、トリサシダニ共に、発生源となるネズミや野鳥の巣を見つけて除去する必要があります。ダニやゴキブリなどの害虫対策用の燻煙剤は室内に侵入したイエダニには効果がありますが、一時的です。ネズミや鳥の巣が分からないときは、害虫駆除業者に依頼する方が確実です。
 寝具やソファ、カーペットなどに噴霧するタイプのダニ防除用スプレー(ピレスロイド系殺虫剤配合)は、安全性が高く、寝室の寝具周囲や通風口周囲にもスプレーすると良いでしょう。
 寝室内の蚊対策では、電気蚊取り(液体式、マット式)は就寝中も使用できるので有効です。また窓を開けるときは網戸をして、全開にすると、網戸と窓のフレームの部分が重なり、蚊の侵入経路を塞ぐことができます。
 トコジラミに関しては、トコジラミ専用の殺虫剤(オキサジアゾール系、カーバメート系)が必要です。
 家庭での虫刺され対策の参考にしてください。