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こんなものにも金属が! ~MRI検査を受ける際はご注意を~

2022年8月19日

 MRI検査を受ける際、時計などの金属類を身につけてはいけないことはご存じの方も多いかと思いますが、検査の際にメークも控えた方がよいことはご存じでしょうか?

 MRI検査では、強力な磁力や電磁波が利用されています。化粧品には金属由来の成分が含まれているものがあり、MRI検査に影響が出ることがあります。金属が含まれたアイシャドーや口紅などを使用したままMRI検査を受けた場合、MRIから発生する磁力や電磁波の影響で金属部分に電気が流れて発熱し、やけどをしてしまう可能性があります。また、金属によって周囲の磁場が乱れ、MRI画像がゆがんでしまうこともあります。

 さらにこの時期注意しなければならないものに、日焼け止めや制汗剤があります。最近の日焼け止めは、皮膚と日光の間に物理的なバリアを作る酸化亜鉛などの金属を使ったものが多いそうです。制汗剤も、銀イオン(Ag+)などの金属イオンを使用したものがあります。銀は導電性が高く電流が流れやすいので、微量でも発熱する可能性があります。

 そのほか、金属が含まれる意外なものに増毛パウダーがあります。一部の製品には酸化鉄が含まれており、MRI検査時は頭皮やけどの危険だけでなく、パウダーがMRI装置に飛んでしまい、装置が故障する可能性もあります。

 万が一、顔にやけどをしてしまったら大変です。MRI検査を受ける際は、メークを控えるようにしましょう。また、各医療機関から配布される検査説明書もよく読んでおきましょう。