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プロバイオティクスについて

2022年9月23日

 プロバイオティクスとは、人体に良い影響を与える微生物(善玉菌)、または、それらを含む製品・食品と定義されています。日本では、ヨーグルト、みそ、納豆などのプロバイオティクス製品・食品は広く受け入れられており、国民の4割強が毎日摂取しています。一昔前までは、便秘や下痢の改善を期待して摂取されることが多かったのですが、現在は生活習慣病、アレルギー、免疫、脳機能、睡眠などへの作用が注目されています。また、マウスの実験では、ビフィズス菌の一種であるLKM512株が寿命を延長させることや、早老症マウスに健常マウスの糞便(ルビ:ふんべん)を移植すると健康寿命が延長することも報告されており、今後も健康に対する新たな効能が発見される可能性があります。
 ただ、摂取した善玉菌がヒトの腸内に生着することはほとんどなく、便として排出されてしまいます。そのため、効果を得るなら、自分が得たいと思う効能を絞って、長期間摂取することをお勧めします。私の場合は、業務上、感染症を予防するために免疫力を向上させるタイプの乳酸菌を毎日摂取するようにしています。
 プロバイオティクスの注意点として、善玉菌でも体質に合わず、下痢や便秘で体調を崩してしまうことがあります。同じ善玉菌でも乳酸菌、酪酸菌、ビフィズス菌などさまざまな種類があるため、自分に合った善玉菌を探して摂取すると良いでしょう。また、プロバイオティクス(特に食品系)を多量に摂取すると、そこに含まれる塩分や糖分を過剰に摂取してしまう恐れがあります。適切な量を守ることも重要です。