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より良い睡眠のために生活習慣を見直してみませんか?

2024年2月16日

そのだ心療内科 園田 亜希 先生

 「眠ろうと思っても眠れない」「夜中に目が覚める」など、睡眠に関する悩みを持っている人も多いと思います。日本では、成人の約30%が睡眠の問題を抱えているといわれています。 厚生労働省が作成している「健康づくりのための睡眠ガイド2023」では、成人については6時間以上を目安として睡眠時間を確保することが推奨されており、加えて、睡眠で休養がとれている感覚「睡眠休養感」を高めることも重要といわれています。 睡眠休養感を高めるためには、生活習慣や睡眠環境を整えることが大切です。日中にできるだけ日の光を浴びるよう心掛けることで、睡眠を促すホルモンであるメラトニンの分泌が増え、寝つきが良くなります。一方、寝る前に照明やスマートフォンなどの強い光を浴びることでメラトニンの分泌が抑制されるため、寝室にはスマートフォンは持ち込まず、できるだけ暗くして寝ることが望ましいです。また、就寝1~2時間前に湯船につかることで、からだ全体が温まり血行が良くなるとともに、寝つきも良く、深く質の良い睡眠がとれるようになるといわれています。朝食をとらないこと・就寝前の夜食は、体内時計を後退させるといわれ、寝つきが悪くなります。アルコールについては、一時的に寝つきは良くなりますが、睡眠後半の眠りの質は悪くなるため、晩酌は控えめにして、寝酒はしないことが望ましいです。
 生活習慣を整えても眠れず、集中力の低下や疲労感などにより日中の活動に支障を来すようであれば、まずはかかりつけ医(普段受診しているかかりつけの医療機関)にご相談ください。それでも改善しない場合は、睡眠外来や精神科・心療内科など、専門的な治療が受けられる医療機関を紹介してもらいましょう。