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目に使うステロイド、怖いの?

2021年7月9日

 ステロイドホルモンは、副腎という臓器から分泌されている物質です。副腎皮質ホルモンの一つであり、合成して作られた薬を「ステロイド」と呼んでいます。

 ステロイドには、強い抗炎症作用や免疫抑制作用があり、眼科では主に点眼薬や軟膏として使用されています。結膜炎や強膜炎など、炎症で目が赤くなる病気のときに処方することが多く、痛みや痒み、腫れを抑えます。ステロイドを使用しなければ良くならない病気も多くあり、眼科ではなくてはならない薬です。点眼薬や軟膏には、濃度が低いものから高いものまでさまざまな種類がありますが、濃度が高いほど効果も強くなります。同時に、副作用も強く出る場合があります。

 目で使用する場合に気を付けなければならない副作用として、以下のものが挙げられます。

①ステロイド緑内障:眼圧(目の硬さ)が上がってくると目の内側の視神経が弱くなり、視野が欠けてくる緑内障という病気になります。ステロイドの使用により眼圧が徐々に上昇する場合があります。

②白内障:カメラのレンズにあたる水晶体が濁って視力が落ちていく白内障は、通常は加齢が原因で起こりますが、長期間ステロイドの点眼を続けている場合には早く認めることがあります。

③易感染性:ステロイドは免疫反応を抑えるため、ウイルスや細菌感染が起こりやすくなる場合があります。

 副作用を挙げると、ステロイドが怖いと思われるかもしれませんが、適切に使用すればとても効果の高い有用な薬です。主治医が言う使い方を守ることが大切です。