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関心持って、子どもの便秘

2021年7月7日

 ご家庭のお子さんは便秘で悩んでいませんか? お子さんがおむつを使っているなら便の形や硬さは自然と観察しているでしょう。しかし、おむつが取れた後はいつしかお子さんの便に関心を払わなくなっている親御さんも多いのではないでしょうか。
 便秘とは便が滞り、出にくい状態を言います。誰でもちょっとしたきっかけで便が硬くなり排便時に痛みや不快感を覚えたことはあるでしょう。こんな時に硬い便がすっきりと出しきれたなら問題ありませんが、うまく便が出しきれないときもあると思います。すっきりと排便できず、痛みや不快感を繰り返し経験した場合には排便をできるだけ避けようとしてもおかしくありません。
 ただ、そうすると腸内の便はより長い時間停滞し、さらに硬い便を呼ぶ悪循環に陥ってしまいます。小児の便秘の頻度について、詳しくはわかっていませんが、排便頻度が週3回未満の児童や生徒さんは5人のうち1人程度いるとの報告もあります。便秘で困っているお子さんは案外身近にいるのかもしれませんね。
 小児が便秘を起こしやすいきっかけとしては、乳児の離乳食を始める時▽幼児のトイレットトレーニング▽就学に伴い学校での排泄を避けること―などが知られています。お子さんがおなかの痛みや張り・不快感を繰り返し訴えたり、排便時に顔を真っ赤にしていたり、お尻をふくと血がついたり、トイレに行くのを繰り返し嫌がるようになったりしたら治療が必要な便秘症の症状かもしれません。
 乳幼児で1カ月以上、学童以降で2カ月以上症状が続いているのなら、かかりつけ医に相談してみましょう。腸などの病気が見つかることもありますが、機能性便秘症も少なくありません。まずはたまった硬い便を上手に出しきり、次に便の硬さを調節する薬や腸の動きを促す薬などで、できれば毎日苦労せず便を出しきれるようになるまで継続して治療しましょう。トイレはいつでも悩みが解消でき、すっきりする場所であってほしいものです。(毎日新聞7月7日付)