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安全にMRI検査を受けるため

2021年7月23日

 病院では多くの画像検査があり、おのおのに異なった検査説明や注意点があります。今回はMRI検査時の注意点をいくつか紹介します。

 MRI検査を受ける前に、問診票をチェックしてもらいます。担当スタッフが丁寧に説明し、再確認します。主に、金属の有無を確認して、取り外せるものは外してもらいます。MRI検査は磁石と電磁波を使用する装置なので、金属の持ち込みは大変に危険です。例えば、胸ポケットにボールペン(クリップ部に小さな磁性体金属を使用)を入れたまま装置に近づくと、何が起こるでしょう? MRI検査室に入っただけでは、何も起こりません。ところが、患者さんが入るガントリー(MRI装置内の筒状空間)間近まで近づくと、ボールペンがガントリー内に勢いよく吸い込まれ、ガントリーに吸着してしまいます。強い磁力を持つMRI装置は、小さな金属でも患者さんとって危険物になってしまうことがあります。

 検査を受ける患者さんが気付いていないコスメ用品(ネイルアートの金属成分、一部の増毛スプレーなど)も発熱ややけどのリスクがあります。保温下着も要注意です。金属を織り交ぜた生地である場合は、発熱の危険があります。金属を含んでいなくても、発汗による渦電流によって皮膚に紅斑を来すことがあります。

 たくさんの注意事項の確認は、患者さんが安心してMRI検査を受けるために大切なことです。検査を受けるときは、問診票や検査説明書は注意して確認するようお願いします。