病気について知る病気の解説

汗をかいていないから平気!?

2021年9月10日

 めまいがする、立ちくらみがある、ぼうっとしている、下肢がだるい、体がだるい、発熱など、熱中症の症状はさまざまです。高齢者は自覚症状が乏しいので、介護する人たちの判断も遅れ気味になるかもしれません。食欲がない、睡眠が十分とれていない、元気がないなどの変化は見落とさないようにしましょう。尿の回数が減ったり、色が濃くなったりしていないかも大切な観察点です。
 熱中症の予防には、水分と塩分の補給が大事ですが、血糖管理が必要な人はスポーツドリンクなどによる糖分の取り過ぎ、血圧が高い人は塩分の摂取量にも留意が必要です。
 高齢になるとクーラーや扇風機にあたるのが苦手な人も多く、室温が高めなのに汗をかきにくいことが体温調節を難しくします。マスクは熱を逃がさないので影響があります。認知機能の低下があれば、現在おかれている状況の判断が鈍ることもあります。施設のように室温管理が行き届いている所では、予防のために摂取した水分量が多くなって、心不全を悪化させる場合もあります。下肢のむくみや体重増加にも注意していただければと思います。
 高温多湿な梅雨時期と同様に、暑さで体力を消耗し、夏バテが心配される8月から9月にかけても気を付けたい時期です。居間や寝室に温度計はありますか?感覚に頼らずよく見える場所に温度計を設置して室温を管理することから始めましょう。
 異変を感じたら、迷わずかかりつけ医に相談してください。発熱がある場合は、新型コロナウイルス感染症も念頭に置き、風邪症状も含めて電話で情報提供していただけるとありがたいです。