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生活習慣病と骨の意外な関係~冬は骨折にご注意ください~

2022年1月21日

 寒い冬は外に出たくないですよね。「家の中を暖かくしておいしい〝ミカン〟を食べるのが幸せ」という方も少なくないと思います。ただ、冬になると、血糖や血圧、コレステロールの数値が悪くなるという報告もありますので、生活習慣病をお持ちの方は病状が悪化しないようにご注意ください。
 「生活習慣病があると骨折しやすくなる」ということをご存じでしょうか。糖尿病は明らかに骨折リスクを高めますし、肥満症、メタボリック症候群、高血圧などもそれぞれ骨折リスクと関連しているといわれています。これらの疾患では、骨の材質が劣化し、骨質が低下していることが原因とされます。
 その対策としては「適切な食事と運動」が基本になります。骨というとカルシウムが浮かぶ方も多いと思います。しかし、カルシウムだけでは骨折予防にはならず、各種ビタミンなど多くの栄養素が含まれた「バランスの良い食事」が重要とされています。また、適度な運動は骨を作る細胞を活性化させますし、さらに日光を浴びることでカルシウムを吸収させるビタミンDが産生されます。運動習慣が骨密度を上昇させ、転倒を減らし、骨折リスクを減らすのです。
 また、ご自身の骨の状態を知っておくことも重要です。ネットなどで「FRAX」と検索し、計算ツールに回答を入力すると、今後10年間の骨折リスクを知ることができます。リスクが高かった場合には、かかりつけの先生に相談してみてください。骨密度などの精密検査を行うと良いかもしれません。
 寒い時季には関節や筋肉が固くなるため、転倒が多くなるといわれます。「適切な食事と運動」を心がけて骨を守りましょう。